池大雅の肖像画(福原五岳 画)
池大雅
江戸時代中期の文人画家、書家。与謝蕪村とともに「日本の文人画の大成者」といわれる。妻の玉蘭(ぎょくらん)も画家として知られる。本来の姓は「池野」だが中国風に「池」と名乗った。幼名は又次郎、諱は勤、無名(ありな)、字は公敏、貨成、通称は池野秋平、号はほかに大雅堂、三岳道者など多数。京の銀座役人の下役の子として生まれた。生まれについては捨て子であったとも、御落胤であったともいわれ諸説ある。幼い頃から書を学び、7歳の時、萬福寺で披露した書に僧たちが驚嘆し、「神童」と絶賛されたという逸話がある。絵は文人画の先達・柳沢淇園に学び、大画面の屏風絵から小品まで、さまざまな作風で生涯に1000点を超える作品を描いた。代表作に川端康成の愛蔵品としても名高い与謝蕪村との合作で国宝「十便十宜図(じゅうべんじゅうぎず)」「陸奥奇勝図」「漁楽図」「楼閣山水図」など。文人画の大家となった大雅だがその暮らしぶりは仙人のように超俗的で金銭にも無欲だったという。墓所は京都市上京区にある浄光寺。
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