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式亭三馬の肖像画(『國文学名家肖像集』より)

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式亭三馬の肖像画(『國文学名家肖像集』より)

式亭三馬
江戸時代後期の作家、浮世絵師。古本屋や薬屋も営んだ。代表作である滑稽本『浮世風呂』『浮世床』などで知られる。本名は菊池泰輔、通称は西宮太助、戯号は四季山人、本町庵、遊戯堂、洒落斎など多数。父は江戸は浅草で版木師をしていた菊池茂兵衛。三馬は幼い頃から書に親しみ、8歳から16歳まで本屋に住み込み奉公をした。やがて戯作者の道へ進み、18歳の時に黄表紙『天道浮世出星操』などを出版し作家デビュー。以降、黄表紙をはじめ洒落本、滑稽本、読本など幅広いジャンルの作品を書き、人気作家となった。特に大ヒット作となった『浮世風呂』など江戸庶民の日常とリアルな会話を描いた滑稽本は人気が高かった。執筆活動のかたわら本屋や薬屋も営んだ。特に日本橋本町に構えた薬屋で売り出した三馬創案の化粧水「江戸の水」は、三馬が自身の作品内宣伝したコマーシャル効果もあり人気商品となった。また、浮世絵も手がけ、代表作に「三味線を持つ芸妓図」などがある。墓所は、はじめ深川にある長源寺だったが、関東大震災後に改葬され、今は東京都目黒区碑文谷の正泉寺にある。

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