江戸時代の算術書『新編塵劫記』(吉田光由 編)
吉田光由
江戸時代前期の和算家。幼名は与七(よしち)、通称は七兵衛、号は久庵。京を代表する豪商・角倉(すみのくら)の一族として京の嵯峨に生まれる。朱印船貿易や土木事業で知られる角倉了以は外祖父にあたる。初の和算家で「割り算の天才」を自称した毛利重能(しげよし)師事し、のち了以の子・角倉素庵のもとで中国渡来の数学書『算法統宗』を研究し習得した。それをもとに1628年(寛永5)、初等数学入門書『塵却記(じんこうき)』を出版した。同書は、イラストを多用し基礎から応用まで実生活に密着した数学を解説したもので、武士から庶民まで幅広い層に好評を博し300年にわたり愛読される超ロングセラーとなった。晩年は眼病を患い失明した。墓は不明。
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