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東洲斎写楽の作品(三代目 大谷鬼次の奴江戸兵衛〈1794年〉)

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東洲斎写楽の作品(三代目 大谷鬼次の奴江戸兵衛〈1794年〉)

東洲斎写楽
江戸時代中期に活躍した謎多き浮世絵師。わずか10カ月ほどの短期間に役者絵を中心に145点余の作品を発表し一躍注目絵師になるも、忽然と姿を消した。出自や経歴についても不明点が多いが、阿波徳島藩主・蜂須賀家のお抱え能役者、斎藤十郎兵衛ではないかという説が有力。代表作として有名なのが「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」「市川蝦蔵の竹村定之進」「三代坂田半五郎の藤川水右衛門」「嵐龍蔵の金貸石部金吉」など「大首絵」と呼ばれるデフォルメを駆使したダイナミックな役者絵。写楽の役者絵は役者本人の個性や特徴を大胆かつ的確に描き出し、それまでの役者絵と一線を画するユニークな作品として世間を驚かせた。しかし、急速に筆は衰え作品は精彩を欠くようになり、ついに写楽はその存在を消した。あまりに短期間に多作品が発表されたこと、前期と後期で作風がまるで異なることから「写楽工房説」もある。

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